「コンテナ物語」を読んだ感想!グローバル化を進めたきっかけに!

書籍

どうも、きく(@Kiku_Home)です!

”コンテナ 物語世界を変えたのは「箱」の発明だった” を読んだのでその感想をつらつらと書きます。

この本は現在の物流で主流となったコンテナを使った輸送が、1950年代からどのように主流になったのか、そしてコンテナ船輸送のメリットが描かれております。本の趣旨を簡単に紹介していきます。

コンテナを使うことのメリット

コンテナを使うことによるメリットはいくつもありますが、一番は輸送コストを下げたことです。もともとコンテナ船が出てくる前は、埠頭に”沖仲仕”と呼ばれる労働者が船から荷物をとりだす重労働を行っておりました。

コンテナを使用することで、船からそのまま鉄道やトラックに載せることができ、労働者の賃金がなくなり輸送コストが格段に落ちました。

ここでいう輸送コストとは、”ある地点からある地点までものを運ぶときのトータルコスト”です。トータルコストは、1度の輸送で多くの貨物を運ぶことで少なくできます。コンテナ船に乗せるコンテナ数を多くしたり、コンテナ内部の荷物の詰め具合を100%の近づけたりします。

荷物が多いと輸送コストが下がり、輸送コストが下がるとさらに荷物が集まりやすくなります。この正のサイクルが回るとどんどん港が発展していきます。

そうして発展していった場所がシンガポールとドバイです。どちらも国土や人口は小さな国ですが、ハブ港の役割を担っております。とくにシンガポールにいたっては、「3日以上荷物を置くと課税する」というルールを設けて港の回転率を上げております。取引量を多くすることで規模の経済が働き、輸送コストをさらに減らせます。

一方でコンテナ船がなかなか誘致できない港は衰退していきます。コンテナ船は水深が深い港が必要となり、浅い港では発展できなくなります。コンテナ船が来ないと取引量が減り、輸送コストが高くなります。コンテナ船を置ける港がない国はどんどん衰退していくでしょう。

幸いにも日本は海洋国家として、東京、横浜、神戸などに港があります。1960年の後半には国をあげて港を開拓しておりました。

コンテナがもたらすグローバル化

コンテナが登場する前は輸送コストが、ある種、関税の役割を果たしました。当時は海外のものが非常に高くなっておりました。それに対しコンテナが登場したことで、輸送コストが大幅に下がり、海外のものが非常に安く輸入できるようになりました。

輸送コストが下がることで新しい製品が驚異的なスピードで市場のすみずみまでいきわたります。もののグローバル化は競争が激しくなり、より値段も下がり一般家庭でも購入できるようになります。消費者としては生活水準が向上します。

グローバル化されたのはモノだけではありません。ものは簡単に移動できますが、人は簡単には移住させることができません。賃金の低いところで物を作らせ、完成品を輸出することで製造業はより低コストで製造できるようになりました。

こうなると、給与もグローバル化が進みます。発展途上国の賃金が先進国の賃金と比べられます。

コンテナのデメリット

コンテナのデメリットはその安全性に付随します。コンテナは船からコンテナを開封することなく、シームレスに鉄道やトラックに乗せ換えできます。非常に安全です。ただその安全性が厄介です。

コンテナを開ける必要がないため、麻薬や核物質、テロ用の爆弾などが入ると危険です。またコンテナに人をのってしまうと不法移民の問題も発生します。

もう1点デメリットがあり、それは巨額の投資が必要になることです。港を丸々作るところから始まるので国の政策で進むことも多いです。ただ、海運業は規模の経済を働かせなければぜんぜん儲からないため、港の取引量が伸びなければ、投資した金額は回収することができません。ハイリスクハイリターンの投資ではありそうです。

まとめ、感想

コンテナというただのは箱にも関わらず、こんなにも世界を変えてしまったことに驚きです。そもそも物流のグローバル化がなければ、世界がここまで豊かではなかったと思います。よく過去の研究結果やイノベーションによって、より視座が高くなったり、恩恵を被ることを”巨人の肩にのる”といいますが、物流業界でもどんどん発展して我々はメリットを享受していることを実感できました。

この本には、コンテナが世界中にひろがったきっかけがベトナム戦争であることや、日本の高度経済成長にもコンテナがかかわっていることなど、今回紹介できなかった面白い内容があります。ぜひ本も手にとってみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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