今さらながらピーターティールの「Zero to One」を読みましたので、書評?をまとめてみます。大事だと思った部分を中心に書きます。
ピーターティールってどんな人
いろんな顔を持つピーターティール。起業家兼、投資家です。経歴を書きだします。
- PayPal、Palantir創業者
- Facebook外部投資家
(50万ドル投資⇒10億ドルで株式売却)2000バーガー - ペイパルマフィアのドン
- クラリムキャピタルマネジメント設立者
ファウンダーズファンド設立者
起業家として、PayPalを創業後、eBayに売却することに成功。その後、創業初期のFacebookにも投資をし、なんと50万ドルを10億ドルにする投資家としても成功をおさめる。
今回はピーターティールが大事にしている「Zero to One」という考え方をまとめておきたい。
なぜ0⇒1なのか?
そもそも「Zero to One」の考え方はどこから来たのか。まずは、反対である「1⇒n」について考えていきたい。一番秀逸であった「1⇒n」の
たとえとして、現在の中国について引用します。
中国がこれほど速く成長できるのは、出発点が低いからだ。中国にとって、成長へのいちばんの近道は、欧米でうまくいったことをすべてそのままコピーすることだ。それが今まさに起きているーー石炭をガンガン燃やし、工場や高層ビルを建て続けることで、明確な計画を実行しているのだ。それでも、膨大な人口によって資源価格が高騰し、中国人の生活水準がいつまでたっても豊かな国々に追いつくはずがないことを、中国人は知っている。
ピーターティール「Zero to One」
1⇒nをしても、排気物質を大量に出して、根本的には豊かになれない。むしろ環境汚染をして地球を破壊してしまう。
さらに「1⇒n」の場合、競合もおおい。そのため競争により消耗してしまい、稼げない。
これまで富を想像してきた古い手法を世界中に広めても、世界は破壊されてしまう。
限られた資源で、より豊かになるためには「テクノロジー」が重要であるとティールは語る。
それでは、どのようにして「Zero to One」を始めればいいのであろうか。
0⇒1を築くために
「1⇒n」をしても競争し、世界は持続可能な豊かさは手に入らない。では、どのようにして「Zero to One」をするべきか。
3つ重要な点があると理解した。
- 自分の頭で考える
- 小さく始めて市場を独占する
- テクノロジーの進化
自分の頭で考える
「Zero to One」といっても、新しいものを作るということに変わりはない。そのためまずは自分で考える必要がある。その点においてティールは人を採用する面接で必ずする質問がある。
「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」
この質問をすることで、明晰な思考ができる人か、
かつ、常識はずれな回答になるため、発言する勇気のある人かを判断できるとのこと。
結局この本も答えは教えてくれない。自分の頭で考えろということだろう。
小さく始めて市場を独占する
これにはいい例が二つある。Facebookとテスラだ。
Facebookの場合、まず大学生にターゲットをしぼり独占した。そこからアメリカ国民⇒全世界という形へと発展していった。
テスラの場合、ハイエンドの電気スポーツカーというニッチな市場からはじめて独占した。今現在、高級車以外にも大衆車としてモデル3をリリースしている。
とにかく、競争で消耗せずに、独占してしまうのだ。「戦わずして勝つ」という孫氏の考え方にも通ずる。
テクノロジーの進化
最後がテクノロジーの進化である。
すべての問題がテクノロジーで解決するというわけではないが、
テクノロジーの進化なくしていまのさまざまな問題解決はむずかしいとティールは考えている。
やはり技術革新があってこそ、「Zero to One」に発展しそうです。
まとめ(所感)
天才の頭の中を覗き込んだ気がします。常識であれば「独占」という言葉からは悪いイメージしかなかったのですが、むしろまずはニッチな市場で「独占」を目指すべきという考え方はすごいです。
これこそまさに、「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」の答えのひとつだろう。
小さく始めて独占し、大きく勝つというのは、投資にも当てはまるでしょう。
ほかにも「市場は君たちよりもはるかに多くを知っているのだから。」という文章があって、投資家としての考え方も勉強になりました。
「Zero to One」という本には、ほかにもスタートアップ企業の給与体系や、ストックオプションに関する考え方も書いてあります。あとペイパルマフィアについても。C3AI創業したトムシーベルも出てきたり面白かったです!!
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