[書評]ニコラス・ダーバス「私は株で200万ドル儲けた」

書籍

どうも、きく(@Kiku_Home)です!


ニコラス・ダーバスさんの「私は株で200万ドル儲けた」を読んだので、感想を書きたいと思います。
2003年に出版された本ですが、今でも通ずる名著となっております。

Kindle unlimitedでも読むことができます。

ニコラス・ダーバスさんについて

彼は、「ボックス理論」を生み出して、わずか18か月で200万ドルを稼ぎました。本書では、その200万ドルを稼ぐまでの出来事が書かれております。
もともとダンサーであったニコラスダーバスさんは、ショーの仕事のギャラを株式で払うという条件で株と出会いました。

その仕事はおじゃんになるのだが、報酬の代わりに株を購入すると申し出ました。その後、購入した株が急騰するというビギナーズラックを手にするところから物語が始まります。

数々の失敗

「株ってこんなに稼げるんだ」と気づいたダーバスさんは個人投資家が一度は通る道を塗りつぶしていく。
手数料負け。。。損切り。。。そして反省をし、ルールを作っていく。

最初は投資顧問の話を聞き、噂を聞いて売買を行っていたが失敗し、ファンダメンタル分析に傾倒していく。
(ファンダメンタル分析とは企業の財務諸表を読み込み、銘柄選定すること。)


ファンダメンタル分析をするときは、競合も調べて見比べる。ダーバスさんは二つの点を意識して最高の企業に投資しようと決めていた。

  1. 最も強い業界
  2. その業界のなかで最も強い企業

最も強い業界に選んだのが、”鉄鋼業”であった。鉄鋼業の中でも選りすぐりの企業に絞った。

そして、借金をしてその株を大量に買うのである。絶大なる確信を持って・・・

結果、株価は下がり続けたのであった。。。
素晴らしい株を買ったのにもかかわらず、下がり続けた。ダーバスさんはファンダメンタルに裏切られてしまった。

ボックス理論の誕生

結局ファンダメンタル分析で選んだ最高の銘柄は、下がり続けて損切りを余儀なくされた。そして上がり続けている何も知らない銘柄に、藁にもすがる思いで購入。そのまま上昇し続け損失を少し取り戻した。

この経験がダーバスさんをテクニカル分析へと駆り立てる!

「価格動向と出来高を注意深くチェックし、ほかのすべての要因を無視することで、いい結果が得られる」という結論に導かれる。ファンダメンタルがよくなるニュースが出れば、多くの人がその株を買いたがるために、”株価と出来高の上昇”にあらわれるだろうと。

そして、トレンドは持続し続けることも発見する。

株は磁石に引き寄せられるように上のほうへ、あるいは下に向かってトレンドを描く。ひとたびトレンドが形成されれば、そのトレンドは持続する傾向がある。トレンドを描く株式は一連のフレームの中で変動しており、この枠ひとつひとつを私はボックスと呼んだ。

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例えば、$45~50近辺でヨコヨコする銘柄があったとする。$45~50がボックスの範囲内である。


このボックスだが、自分で決める必要がある。ボックスは銘柄によっても時期によっても変わる。
ボックスレンジを上に抜けたときに上昇トレンドに入る。逆にボックスレンジから下に抜けたら下降トレンドのため、売りのポイントでもある。

テクノファンダメンタリスト理論

「私は株で200万ドル儲けた」著者のターバスさんはボックス理論以外にもテクノファファンダメンタリスト理論にも到達する。

上昇トレンドになるには、ファンダメンタルの改善するニュースが必要になる。ファンダメンタルの中でも特に”収益性の改善”に注目する。そして、20年間のスパンで考えたときに、革新的な収益性の改善をする企業に投資をするという、まるでARK社のETFのような理論にターバスさんも到達していたのだ。

これがテクノファンダメンタリスト理論である。20年間同じ銘柄を持ち続けるという意味ではなく、20年後を見据えて上昇トレンドが続きそうな銘柄を見ておくという意味である。自分のなかでしっくりきました。

まとめ

「私は株で200万ドル儲けた」という本は、個人投資家がぶつかる壁を物語にしてノンフィクション作品としてまとめている。問題の解決方法であったり、投資手法の理論がわかりやすく書かれているため、非常にためになる本であった。

特に”トレンドは持続する”というところから、ボックス理論、テクノファンダメンタリスト理論への流れは読みごたえがありました。
ファンダメンタル投資を行い、株価が上がらず悩んでいる方や個人投資家にお勧めの書籍です。


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