「失敗の科学」の書評!失敗からいかに学ぶか?

書籍

どうも、きく(@Kiku_Home)です!

マシューサイド氏が書いた「失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織」について内容まとめと感想をつらつら書いてみます。この本はなぜ、致命的な失敗が起こるのか、そして対策の大きく2点が書かれております。

著者は失敗が起こる原因は「クローズドループ現象」が発生するからといいます。ここでいうクローズドループ現象とは制御工学でよく使われますが、本来の意味とは異なります。

ここでいうクローズドループ現象とは、失敗や欠陥にかかわる情報が放置されたり、曲解されたりして、進歩につながらない現象や状態を指す。

このクローズドループ現象が起きる原因は、失敗を認めなかったり言い逃れをしたりすことで起き始めます。

そもそも著者は最初は失敗は避けられないものであり、その失敗からいかに学び再発防止をするかがカギになると考えております。そのため、失敗ありきでまずは考え、”その失敗からいかに学ぶか”が焦点となります。

失敗から学ぶために大事なことが2点あります。

  1. マインドセット(失敗を恐れず認める)
  2. 適切なシステム(過度な非難をせず、正確な情報が集まる環境)

これがうまくいっている業界があります。それは航空業界です。

航空業界では、パイロット室の音声データが録音され、飛行データ(どれくらいの速度で飛行しているかなど)も記録されます。これが適切なシステムとなります。

もし大きな事故が起きてしまった場合、なぜ事故が起きてしまったかを徹底的に検証します。まずは事実確認し、根本的な対策をすることで、業界全体が安全になっていきました。2013年には約30億人の乗客が空を飛びましたが、亡くなったのは210人のみです。今では航空の事故はほとんど起きておりません。

逆に医療業界は閉鎖的で失敗を認めようとしないことがあります。患者には「全力を尽くしましたが、お亡くなりになりました。」という言葉で終えてしまうことがあります。
とくにベテランの医師はいままでの経験から、周りの意見が聞けずに取り返しのつかないことになってしまう例が本に書かれておりました。

いわゆる権威主義では、失敗が認めることができないためクローズドループ現象がはびこります。


最後に進歩や革新について触れた部分が印象に残ったので書いておきます。

「進歩や革新は頭の中だけで美しく組み立てられた計画から生まれるものではない」ということです。進化とは自然淘汰です。自然淘汰は計画的に起きたのではなく、試行錯誤の繰り返しで起きました。進化にそもそも計画などないわけです。

そういった意味では自由主義というのは計画とは対照的な市場のため、トライ&エラーを繰り返していき、進化や革新が起きやすいと思いました。

まだまだ日本は”失敗を非”とする文化が根付いているため、革新や進化といったこととは縁がない気がします。もっと失敗を認め合える文化が出てくればいいのにとあらためて考えさせられました。

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